フィアット パンダ エンジンヘッドオーバーホールです。

ラジエータの冷却水が減少するとの事で、入庫いたしました。
原因はヘッドの抜けにより、4番シリンダーに冷却水が混入していまして、
入庫した時には、混入した水がプラグを濡らしてしまい、混合気に点火する事も出来ない状態でした。

エンジンヘッドを下ろしました。

上から覗いたところです。

ヘッドと問題のガスケットです。

エンジンオイルに冷却水が混入し、チョコレート色になってしまっています。

下ろしたついでに、ヘッドもオーバーホールします。

バルブの傘にも大量にカーボンが付いています。

卓上ボール盤にバルブを組み付けて、カーボンを削っていきます。

カーボンがのいて綺麗になりました(^^)

ヘッドの面研磨も行いました。0.05ミリ削りました。

カムカバーもすごく汚れています。

カーボンを落としてくれる洗浄液に約50分浸した後、ごしごしとカーボンを擦り落としました。

カムカバー裏のオイル汚れやカーボンも落ちました。

バルブの擦り合わせを行い、密着度を高めました。研磨しきれていない所が無いか、光明丹というものを付け、当たり面の研磨具合を確認しています。

カムカバーとの合わせ面を、オイルストーンを使い磨きこんでいきます。

各バルブに組み込まれたシムの数値をチェックします。

ヘッドボルトは新品を使用します。エンジンオイルに30分以上漬け込みます。

特殊工具を使い、バルブやコッタピンを組みつけていきます。

いよいよカムシャフト組み付けです。青いクリームはWAKO’Sのエンジン組み付けペーストです。エンジン始動後はエンジンオイルに溶けます。

ヘッドがほぼ完成。

オイルパンパッキンからもオイル漏れがありましたので、ついでに交換します。まずはオイル排出です。まるでミルクティーです。

オイルストレーナーにもたっぷり付いて残っています。

パーツクリーナーで溶かしながら掃除します。

オイルパンとの当たり面も綺麗に磨き、脱脂します。優秀な液状パッキンを使いますが、油分があれば台無しです。

オイルはドレンボルトからだけでは抜ききれていません。結構残っています。これも洗浄液に浸してゴシゴシします。

残っていた液状ガスケットの残骸も綺麗に磨きコソギ落としました。当たり面はピカピカです。

洗浄液は頑張って汚れを落としてくれました。薄い白色だったのが、こんなに真っ黒です。

無事、エンジンは復活しました(^^)